機械式時計の魅力について考えてみる。
皆さん、色々なきっかけで時計に興味を持ったり、時計が好きになったりしていると思うんですよね。
何か1つ『これだ!』という思いを持って時計に関心を持っている人もいれば
何気なく、何となく、『惹かれている』という方も多いのではないでしょうか。
そんなことを考えると
時計に惹かれる感覚ってどこか恋愛に似ているように思うのは私だけでしょうか・・・?
さて、そんな今回は私が思う時計の魅力について少し(長くなるかも(;'∀'))語らせていただきたいと思います。
時計にも色々と種類がありますが、今回は『機械式時計』の魅力についてに絞らせてください。
私が思う機械式時計の魅力はまとめると以下の3つかな?と思っています。
■機械式時計の3つ魅力
- 1.一生モノ
- 2.ファッションアイテム
- 3.時間を知る道具
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1.一生モノ
『今身に着けているモノで一生使っていこうというものは何かありますか?』
そう質問されて、即答できる人は何人くらいいるのでしょうか。
若い頃はそんなこと考えずに『今』その瞬間の欲求で身に着けたいものを選んでいました。
でも、改めてそう質問されると今自分が身に着けているもので生涯使っていけるものって意外とないということに気付く。
なぜならば季節や流行、時代や年齢によって身に着けなくなるものが多いし、
何よりもモノ自体がそこまで永く使っていける作りになっていないものがほとんど。
しかし、機械式時計はメンテナンスさえしていけば半永久的に使い続けることができる。自分の人生を刻んだモノを次の世代に残せる数少ないアイテムとなります。
以下、一生モノとして愛着を持てるポイントは何か?と思いついた点を挙げてみます。
■時計は一日の生活の中でも一番目を合わせる回数が多いモノ
・だから思い出も詰まる。永年使っていき、ふとした時に時計を見ながら『あの時もこうしてこの時計を見ていたよな』と思い出したりもできる。
・だから、見た目の好みは重要で、見た時に自分のテンションをあげてくれるようなデザインが良い。見た目が好みじゃないのに歳をとったらこっちの方がいいかな?とかの理屈で選ばない方がよい。むしろ『今』の感性で選んだものを身に着けることで、何年時が経っても購入したころの『今』の時代を思い出せる。
■思い出を刻み、過去を思い出させてくれるモノ。
過去に何か部活など打ち込んでいたものがある方はわかると思います。
例えば野球をやっていた方。その頃のグローブとか道具はまだ持っている方が多いのではないでしょうか。
その道具はおそらく今は普段目にしないところにあるかもしれません。
だけど押し入れの掃除などをしていると、そのころの道具とかが出てきて見つけると当時の青春時代を思い出す。
もう使わないであろうものでも捨てれない。なぜなら思い出も一緒に捨ててしまうような気になるから。
そんな経験をしたことがある人は多いのではないでしょうか。
別に部活の話でなくても、誰しも押し入れの掃除をしながら『もう使わないよな。。』と思いながらもなぜか捨てれないものがあるはず。
それはそのモノに捨てたくない思い出が詰まっているから。
時計はこれからの人生の沢山の思い出を詰めていってくれるもの。しかも使わなくなることがない。
そのように機械式時計は人生の苦楽を共にするアイテム。
嬉しい時、楽しい時を刻んだ思い出のアイテムになる。
特に若い方なんかはこれから先の人生をイメージしてもらいたいです。
これから先の長い人生において、転機と呼べるような瞬間というものは沢山あるはず。
職場では昇格した時や表彰されるようなことがあるかもしれない。転職なんてのもあるかも。
プライベートでは生涯を共にするパートナーと出会った瞬間、やがてプロポーズをする瞬間、子供が生まれる瞬間・・・・
現在進行形の時はなかなか気づかないけど、振り返った時に自分の人生の中での節目、節目にあんなことあったな、こんなことあったな、と思い出すことがたくさんあるはず。その節目の瞬間、瞬間を刻んだ時計は掛け替えのない宝物になるはず。
逆に人生には辛い時、苦しい時もある。その時を共に過ごした時計はさらに掛け替えのない相棒となる。
なぜなら、苦しいことや辛いこと、それらを解決してくれるのは『時間』だから。
どんなに辛いことがあっても時間が経てばやがては段々と癒されていく。
そんな辛い時間をそっと傍にいて寄り添いながら時を刻んでいってくれた時計は掛け替えのない相棒だ。
学生時代を思い出してもらうとわかると思います。
クラスで仲間と楽しいだけの時間を過ごした思い出も大切かもしれないけど、部活で一生懸命苦しい練習に耐えながら一緒に目標を目指したチームメイトは掛け替えのない友情が出来ているはず。苦しみを一緒に乗り越えたから芽生える固い友情ってあるはず。
人生におけるそんなパートナーになるアイテムが時計なのだ。
■未来の自分への羅針盤
『自分にはまだ早い』、『身分不相応だ』と思う方も多いのではないでしょうか。
そう思ってもらって結構だと思います。
むしろそのように思ってもらいたい。そのように思いながらいつかこの時計の見合う自分になろうと励んでほしいと思います。
いや、そのようなモノをもったら自然と見合うように成長するのが人間というものだ。
人は雲の上のものをつかもうとはしないが、背伸びして届くものはつかもうとする。
例えば自分には凄くもったいないと思うような異性と付き合ったらその異性につりあうようになりたくて、自分を磨こうとするじゃないですか。
その努力は決して苦でもなく自然にできちゃう。しかし、付き合う前に自分を磨こうと努力してもなかなか長続きしない。
ましてやどうでもいいように思う異性と付き合っても自分を磨こうとしない。
時計もまだ身分不相応だからと言ったって、じゃあどうなったら身分相応なのか?そんな曖昧な基準で欲しい時計を先延ばしにするのではなく、その時計を持つことで、その時計に見合う自分になればいいし、持ったら間違いなくそういう自分になっていけるはず。
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2.ファッションアイテム
『あなたにとってファッションとは何ですか?』
こう聞かれて即答できる人も多くはないのではないでしょうか。
ファッションとは自己表現、自己主張ではないでしょうか。
人は誰しもが個性を持っており、その個性をさりげなく表現、主張するのがファッション。
個性は目に見えないが、周囲はその人のファッション(外側)を見て個性(内側)を何となく知る(感じる)。
ファッションに興味がない幼い頃は親が選んだ服を何の抵抗もなく着るし、毎日同じ服着たって平気。
その頃の自分にとって服は『ファッション』ではなく、ただの『道具』でしかないのだと思います。
ファッションは決して洋服だけではありません。
バッグ、シューズ、もちろん時計だってファッションアイテムの1つなのです。
そのようなファッションアイテムの中でも時計は少し他のアイテムと違う魅力がある。
季節、流行があまり関係なく、世代を超えて共感してもらえる、認めてもらえる価値がある。
時計というのもは身体にしめる面積は小さいけど、ファッションにおける存在感は大きい。
そして心にしめる割合は非常に大きい。
■道具からファッションアイテムになる
お母さんが選んだ服を着ていた頃の子供時代は周囲の友達を服装では判断しなかったはず。
しかし、服にに興味が出てきて自分で服を選ぶようになると段々と周囲の服装を見るようになる。
服に興味がない時は目に入っても気にならない、でも興味が出てくると気になるようになるものです。
例えば小学生の頃は友達を作るのに相手の服装なんか気にしないはず。
しかし大学や専門学校に入る頃には友達を作ろうと思うと初対面の人でも、その人のファッションを見てしまうと思います。
それでその人がどんな感じの人なのかある程度把握しようとする。
例えば中学生くらいになると女性は男性よりも早くオシャレを意識するようになります。
学校でカッコいい男子の私服がダサかったりしてがっかりした人も少なくないはず。
しかし、男性はオシャレに目覚めるのが女子よりも遅いから私服がダサいとか感じていないから仕方ない。
これは時計も一緒。
興味がない時は他人がどんな時計を着けていようが気にならない。
相手の手が視界に入ってきても時計まで意識がいかない。
しかし、一旦、時計に興味が出ると相手がどんな時計を着けているか気になるようになる。
しかも、時計の場合、パッと見た目でブランドが分かるし、どんなモデルかで印象もだいぶ変わる。
もし、ファッションに拘っているなら腕時計には気を抜かないで欲しい。
高級なスーツを着ていても拘りのない時計を着けていたら安っぽくも見えてしまうし、そんなに値段のしないスーツでもサイジングさえしっかりしていて拘りのある良い時計を身に着けていたらスーツも高級に見えたり、拘りがあるようにも見える。
時計は男性が冠婚葬祭含めてどんな場でも唯一見つけられるアクセサリー。
■時計は自動車に似ている。
自動車と時計が似ているのはメーカーやモデルによってオーナーの印象が変わるところ。
また世代が関係なく認めてもらえる物でもある。
20代が50代の人の自動車に憧れるし、50代が20代の人の自動車を羨ましがったりもする。
時計も一緒で世代を超えて認めてもらえるアイテムなのです。
なぜならば、実用時計(ファッション時計は別)は自動車と一緒で機能を重視した工業製品であり、デザインもその機能の中から生まれたものが大半なので、普遍的な魅力があるからです。
現在、時計に興味のない人はピンとこないかもしれません。
だけどそれは自動車に興味のない小学生と同じようなもの。小学生は街を走っている自動車を見ても関心がないからメーカーや車種とか気にならない。
でも免許をとるようになると自分が乗りたい自動車も出てくるし、友人の自動車がどんなのかとか意識したりするようになる。
時計も一緒で興味がないと周りの人の腕元が目に入っても時計を気にすることはないが、時計が気になり出すと周りの人の腕元を見てしまうようになる。
逆に言えば意外と自分の腕元も他者からさりげなく見られているということ・・・
■料亭の女将は靴を見る。ホテルのフロントマンは時計を見る。
よく料亭の女将はお座敷にあがったお客様の靴を揃えながら、その靴の品質や手入れの仕方などを見てお客様の人となりを見ると言います。
ホテルのフロントマンは記帳するお客様の腕元を見てどんな時計を着けているか見て、そのお客様の人となりを見ると言います。
もちろん、そのアイテムだけではなく全身の身だしなみも重要なのですが、全身の身だしなみがきちっとしていて、その上で靴や時計などごまかしが効かないアイテムに拘ったものを選んでいた方が良い。
特にホテルは以前チェックアウト時に清算が主流だったので、顧客や信用のおけるところからの予約客は大丈夫として、飛び入りのお客様の場合などはスキッパー被害を防ぐためにも、その人の品位品性、人柄などを量る物差しとして時計を見たりしていたそうです。
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3.時間を知る道具
『時計は何の為の道具?』
そう聞かれたら何と答えますか?
ここまで長々とこの文章を読んでいただいた方は難しく考えてしまいそうな気もしますが
ずばり『時間を知る為の道具』です。
時計には沢山の魅力がありますが、そもそも本来の機能、『時刻表示』ということの重要性も改めて考えてもらいたいと思います。
現代の人々は日々の生活で時間を気にしないということはほとんどないはず。
少なくとも仕事をしている間は時間に管理されながら行動をしているはず。
何時に起きて、何時に家を出て、何時にアポが入っていて…
そんなふうに考えると時間に縛られているような気がして窮屈に感じてしまう人もいるかもしれません。
しかし、時間は誰かを縛るものではなく、その人の人生を導いていくものだと思うし、一緒に人生を刻んでいくものだと思います。
そんな時間を何で見ていくのか?
『時は金なり』という言葉があります。
意味をご存知ですか?
何となくはわかるような気がするけど・・・・と言う方が多いのではないでしょうか。
時間は目に見えないけど、お金と同じくらい価値のあるもの、という意味らしいです。
しかし、お金というか金銭的な価値というものは殆どが元々は『時間』だと思いませんか?
時給や月給などは自分の1時間という時間、1ヶ月という時間を企業に売っているのと同じで、企業はそれを給料というカタチで買っている。
自分の能力が上がり、自分の時間の価値が上がれば昇給というカタチで高く買ってもらえるようになる。
また、お金を出して買う『物』の値段はどこからくるのか?
値段を構成する要素の多くはコストであり、コストの多くが人権費です。
そして、人件費の高低はどれだけ手間(時間)がかかるかで変わります。
食べ物でも衣料品でもなんでも1つの物が出来るまでにどれだけ手間暇がかかったかで値段が変わる。
オートフォーメーション化され自動で大量に作られるものは安くなるし、手作業で1点1点丁寧に作られるものは高くなる。
また、素材で値段が変わることもあります。
しかし、高価な素材というのは結局それも手間がかかるからというのがほとんど。
例えば同じ野菜でも無農薬で育てられたものとそうでないもので値段が違うのはそういうこと。
そう考えるとお金は重要だけど、それを生み出す『時間』も本当に大切だと思います。
また、少し角度を変えてみると
日々の生活の中で誰もが色々と買い物をします。
本を買う、洋服を買う、家具を買う、雑貨を買う・・・
例えば500円出してマンガ本を買いました。マンガ本に500円を払ったと思っている人が多いと思います。
しかし、実はマンガ本を読んでいる時間が楽しいから500円払って買ってるわけで、
『マンガ本』に500円を払ったというよりは、『マンガ本を読む時間』の為に500円を払ったのだと思います。
20,000円でブルゾンを買ったとしたら、ブルゾンに20,000円を出しているけど、実は新しいブルゾンを着て出かける時間が気分が良くなるから20,000円出して買っているんですよね。
つまり、お金を払って得た『モノ』が自分に『イイ時間』を与えてくれるから買うんです。
旅行なんかわかりやすいと思います。
旅行でかかるお金は交通費とか宿泊費とか。
なんでそのお金を払って旅行に行くのか?と言ったら『普段と違う楽しい時間を過ごしたい』からではないでしょうか。
つまり、極論を言ってしまうと人はお金を払うことで得るモノが自分にイイ時間を提供してくれるからお金を使う。
イイ時間を過ごす為にお金を使っている、と言えるのではないでしょうか。
それなのに、時間を大切にしていない人が意外と多いのではないでしょうか。
携帯電話やデジタル表示の時計では時間をなかなか大切に感じることができない。
例えば、学校に通っていた頃、黒板の横にアナログの時計があったと思います。
授業が残り5分という時の時計の針のほんの少し間隔が非常に永く感じたことは誰もが経験あるのではないでしょうか?
逆に休憩時間が終わる残り5分という時の5分の針の間隔は『あ、もうすぐだ!』と短く感じたのではないでしょうか。
そういう時間の『早さ』、『長さ』、時間の『流れ』などを感じさせてくれるのがアナログの時計だと思います。
デジタルの時計では時間の『早さ』、『長さ』、『流れ』は感じれません。
目に見えない時間を感じさせてくれるのがアナログ時計なのです。
だから大切な時間を大切に感じながら過ごすにはアナログの時計で時間を見ていく方が良いと思います。
高かろうが安かろうが針で表示するアナログの時計なら時間を感じられるし、時間を大切に過ごせるのではないでしょうか。
ただ、個人に与えられた時間というは無限ではありません。
『人生』という限られたものです。
では大切な時間、限りある自分の時間を何で見ていくのか?
と言った時に
どうせなら生涯共にできる時計で自分の人生の時を刻んでいけたらステキなんじゃないかと思うわけです。
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以上、長々と書いてしまったのですが
私が感じている機械式時計の魅力とはこんなところです。
本当はもっと色々と感じていることもあるのですが、拙い私の表現力では文章にしきれませんでした、、、、
書いた内容は結局は私の価値観であって、絶対的なものではないので
人それぞれ感じる機械式時計の価値観はあると思いますし
そんな皆さんが感じる機械式時計の魅力や価値観などを交えながら一緒に時計談義ができたら楽しいな、といつも思います。